2009/10/07
シンガー・ソングライターのRUFUS WAINWRIGHTは、クラシックとポップスの境界線を巧みに往来することで知られたミュージシャンだ。そんな彼は、このほど長年に渡って胸に抱いてきたオペラへの憧憬を、自らのペンによって1つのオリジナル作品に仕上げることに成功した。
このWAINWRIGHTの手によるクラシック・オペラ第1弾作品は『PRIMA DONNA』というタイトルで、作曲およびフランス語による歌詞もすべてWAINERIGHT自身が書き下ろし、来年6月にカナダのトロントで開催されるTHE LUMINATO ART FESTIVALで北米プレミア公演が実現する。
WAINWRIGHTによると、この『PRIMA DONNA』にはPUCCINIとRAVELの作品の通じる要素や、アリア、デュエット、ロマンティックなメロディーなどが盛り込まれているが、同時にポップスの要素も取り入れているという。また、様々な音楽ジャンルを取り入れるといった彼本来の音楽嗜好とは異なり、オペラというストレートな題材を取り扱ったことについては、「オペラは僕の“宗教”であり、誠実にオマージュを捧げる気持ちで取り組んだ。14歳の頃にオペラに魅せられた僕は、夢中になって耳を傾け内容を理解した。当時に僕にとって、オペラは欲しいと望むすべてを満たしてくれるものであり、それは多くの点で今も同じだ。今回のオペラ作品を書くことは、神への祈りの言葉を書くのと同じ感覚で、すごくスピリチュアルな経験だった」と語っている。
作品のコンセプトからプロダクションに至るまで、すべてを自身でこなしてきたWAINWRIGHT。しかし作品に対する周囲からの攻撃や批判は免れることはなかったそうで、「いくらオーディエンスが気に入ろうとも、多くの人間、特にクラシック・ミュージック界の人たちが眉をひそめるのは否めない。でもオペラにおいて大切なのは、自分の作品に執拗なまでの自信を持つことであり、それが成功につなげるために必要なことだと思う」とコメントしている。
この11/5にはニューヨーク・シティ・オペラのオープニング・ナイトでパフォーマンスを行うWAINERIGHTだが、ポップス・ジャンルにおいても最近ライヴ・アルバム/DVD『MILWAUKEE AT LAST!!!』をリリースしたばかりだ。これはウィスコンシン州ミルウォーキーのPABST THEATREで行った7人編成のバンドとのパフォーマンスを収録した作品で、ドキュメンタリー映像作家であるALBERT MAYSLESを起用した力作だ。そして来年の春には、新たにソロ・ピアノによるプロジェクトを計画しているそうだ。
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